国内外において、M&Aは事業戦略の一環として定着しつつあり、M&Aの取引件数は年々増加しています。 M&Aをより身近な経営ツールとして捉えるために、過去の日米M&Aを振り返るとともにグローバルM&Aの件数など最近の動向をご紹介します。
MAとは
M&Aとは、Mergers and Acquisitions「買収と合併」と意味します。これは、2つ以上の会社が1つになること (合併)、または別の会社が1つの会社を買い取ること (買収)。つまり、会社や事業の全部または一部を譲渡する取引の事で、一般的には「会社や経営の買収」を意味します。M&Aというと、かつては外資系企業が企業同士で乗っ取るというイメージが強かったものの、近年は企業の成長戦略の手段としての多くの企業で取り入れられてきています。
・ 世界のM&A事情
世界のMA件数推移
世界のM&Aは2021 年は、ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)、南北アメリカ、アジア太平洋の3つの地域すべてで記録的な縮小が見られました。これは、34% の成長を遂げた世界経済の力強い回復を反映しており、22% の成長を遂げた南北アメリカとアジアがそれに続きます。太平洋地域は 17% の成長。 2021 年には 3 つの地域で取引量が見られます。数字はほぼ同じですが、取引額はアメリカに大きく偏っており、アメリカでの取引額は全体の50%以上を占め、メガディールは約60%を占めています。2022年には、企業の買収余力低下が影響してメガディールと呼ばれる大規模な案件が減少し、前年を大きく下回ると予想されています。
グローバル取引の推移を地域別に比較すると、ヨーロッパやアメリカでの取引は増加したものの、北米とアジア太平洋地域での取引はわずかに減少しました。今後はあらゆる業界で技術的な調整が必要となるため、M&Aの対象をめぐる競争は激化しますが、市場や潤沢な資金が取引件数や取引形態に反映されることは今後も続くと予想されます。
アメリカ
世界環境が変わり続ける中でも、継続してM&A件数と金額が伸び続けるアメリカは、2014年から2019年で6年連続して1兆ドルを超えています。2019年上半期のM&A市場の動向は、前年同期に比べて案件数は減少傾向にありますが、特に欧州企業のインバウンド投資における価値の上昇は歴史が長く、人気が高まっているM&Aの普及に伴い、様々なM&A手法が出現し、敵対的買収が増加しました。敵対する企業との闘いが激化する中、企業価値や株主の利益が重視されるようになったのもアメリカが継続して数値を上げている理由として挙げられます。今後も、世界のトップとして大いにM&A件数と金額の上昇に期待が高まっています。
日本
M&A件数は、バブル崩壊やリーマンショックなどの不況にもかかわらず、統計を取り始めた1985年以降、増加傾向にあります。1985 年の 260 件から 2017 年には 3050 件となり、この 30 年間で 11 倍以上に増加しました。2004 ~ 2006 年と 2012 ~ 2017 年の成長は特に顕著でした。2017 年には、その数は 2006 年の 2,775 から 3,000 以上に増加しました。2019(令和元)年は3700件という報告があり、
2020年以降は、パンデミックの影響もあり、前年の2019と比較すると8.8%減少したのが現状です。自粛期間や緊急事態宣言のために多くの企業が休業したり営業時間の短縮化から減少に繋がったと考えられています。しかし、2022年末に海外からの観光客の取り入れなど、推移停滞普及に向けた取り組みも行われており、最新のデータによると2022年1-12月のM&A件数は過去最多の4304件となった。
このように、歴史的に見ても経済的な分岐点があるにもかかわらず右肩上がりの統計が確認でき、M&A件数はさらに上昇するものと推移されます。
(参照:経済産業省)
まとめ
今回は世界のM&A件数を日本とアメリカをベースにしてご紹介しました。M&Aの歴史が長いか短いかによってどれだけ取引が習慣化されているかが違い地域によって大きな差がありました。ただ、世界経済の発展を考えると、M&Aは今後もさらに増加すると予想され、市場のタイミングに注目が集まっています。弊社では、高みを目指す企業様にアメリカ会社設立・進出成功へ向けてのお手伝いやサポートも丁寧にさせていただきます。お気軽にご相談ください。