コンテンツへスキップ

アメリカ投資ビザ面接完全ガイド〜よくある質問や却下理由とは?

    アメリカでビジネスを展開したいと考える人にとって、投資ビザは非常に魅力的な選択肢です。特にE2ビザやEB-5ビザを取得することで、合法的にアメリカで事業を行いながら滞在することが可能になります。しかし、ビザ取得の過程で避けて通れないのが渡米前のビザ面接です。面接では投資の正当性やビジネスの継続性を審査されるため、事前に万全の準備を整えた上で挑むことが重要になってきます。

    本記事では、アメリカ投資ビザの面接を成功させるためのコツと、よくある失敗例や注意点、面接までの手続きなどを詳しく解説していきます。

    投資ビザの種類と基本知識

    Man with his laptop at his office workstation

    E2ビザとは?

    E2ビザは、特定の国の国民がアメリカで事業を行うために取得するビザです。一定額の投資を行い、その事業が利益を生む見込みがあることを証明する必要があります。E2ビザのポイントは以下の通りです。

    • 投資額に明確な基準はないが、事業が継続可能であることを証明する必要がある
    • 投資家自身が事業を積極的に運営すること
    • ビジネスが単なる個人の生計維持ではなく、雇用を生み出す規模であること

    EB-5ビザとは?

    EB-5ビザは、一定額の資本を投資し、アメリカで雇用を生み出すことを条件に取得できる移民ビザです。特徴は以下の通りです。

    • 最低80万ドル(地域によっては105万ドル)の投資が必要
    • 10人以上のアメリカ人雇用を創出することが条件
    • 永住権(グリーンカード)を申請することが出来る

    各種投資ビザの詳細や取得方法は過去記事に詳しく書いておりますので、ぜひご活用頂ければと思います。

    ビザ面接に必要な書類リスト【E2ビザ・EB-5ビザ別】

    Workspace. Workplace and office table

    E2ビザとEB-5ビザでは、面接で求められる書類に一部違いがあります。下記のリストを参考に、事前にしっかりと準備をしておきましょう。

    E2ビザの面接に必要な書類

    基本書類

    • 有効なパスポート(一般的に6ヶ月以上の有効期限)
    • DS-160確認ページ
    • 面接予約確認書
    • ビザ申請料金の支払い証明書
    • 規格に合った顔写真

    投資・資金関連

    • 投資契約書や購入契約書
    • 投資資金の出所を示す書類(銀行明細、課税証明、給与明細など)
    • 資金移動の履歴(過去3〜5年分)
    • 会計士による資産証明書(あれば)

    ビジネス関連

    • 英文ビジネスプラン(収益モデル・雇用計画・マーケティング戦略含む)
    • 会社設立証明書、営業許可証
    • 銀行口座の残高証明や取引履歴
    • 賃貸契約書またはオフィスの住所証明
    • 現在の収益実績や収支報告書(運営済みの場合)
    • 雇用状況と今後の雇用計画(従業員リスト、給与明細など)

    個人・補足資料

    • 英文履歴書
    • 学歴・職歴証明(卒業証書、推薦状など)
    • 母国での不動産、家族、仕事等の帰国意思を示す資料

    EB-5ビザの面接に必要な書類

    基本書類

    • 有効なパスポート(一般的に6ヶ月以上の有効期限)
    • DS-260確認ページ(移民ビザ用)
    • 面接予約確認書
    • 規格に合った顔写真
    • I-526承認通知書

    投資・資金関連

    • 最低投資額(80万ドルまたは105万ドル)を証明する書類
    • 投資資金の出所証明(税務資料、口座履歴、不動産売却など)
    • 銀行送金記録と資金移動の履歴
    • 契約書(地域センター投資の場合は合意書)
    • 資産証明書、贈与契約(親族資金を使う場合)

    事業・雇用関連

    • EB-5向けのビジネスプラン(Matter of Ho に準拠)
    • 雇用創出計画(10人以上のフルタイム雇用の内訳)
    • 既存の雇用契約、給与支払記録(事業運営中であれば)
    • 組織図、業務フロー図、マーケット分析

    個人・補足資料

    • 英文履歴書
    • 学歴・職歴証明
    • 家族情報(同行申請者がいる場合)
    • I-829申請の準備に関わる資料(※将来の条件解除に備えて)

    必要書類はケースによって若干異なりますので、可能であれば弁護士やビザコンサルタントにて事前チェックすることをお勧めします。

    ビザ面接の手続きと流れ

    面接準備

    ビザ面接の成功には、事前の準備が非常に重要です。以下のステップを一つずつ丁寧に踏みながら、万全の体制で臨みましょう。

    1. オンライン申請の完了

    ビザ面接の第一歩として、オンライン申請を完了させる必要があります。DS-160フォームをオンラインで提出し、申請料金を支払います。支払いが完了すると、面接の予約が可能となるため、早めに手続きを進めることが重要です。予約後は確認書を必ず保存しておきましょう。

    2. 必要書類の整理

    面接当日、必要な書類をスムーズに提示できるように準備を整えましょう。パスポート、投資証明書、ビジネス計画書、銀行取引明細、税務書類など、求められる書類を揃えます。書類はカテゴリーごとに整理し、即座に取り出せるようファイルにまとめるとよいでしょう。また、それらに関連する追加の書類として賃貸契約の契約書や事業の収支報告書、自身の職歴や学歴を証明する書類等を持っていくことで、より信頼の得られる面接になるでしょう。

    3. 企業登録・事業立ち上げ状況の確認

    必要書類の整理と並行して、会社の登録や事業の立ち上げがどこまで進んでいるかも確認しておくと、面接での信頼度が上がります。すでに法人設立や営業許可取得などが済んでいれば、それを示すことで「実体のあるビジネス」として面接官に強く印象づけることができます。まだ立ち上げ準備中の場合でも、どのような手続きが済んでいて、今後どのように進めていく予定かを説明できるようにしておくことが大切です。

    4. 面接のリハーサル

    想定される質問のリストを作成し、英語での回答を準備します。家族や友人との模擬面接、またはオンライン英会話を活用した練習を行い、自信をつけることが重要です。特に投資の正当性や事業計画について、具体的かつ簡潔に説明できるようにしておきましょう。

    5. 服装とマナーの確認

    面接官に良い印象を与えるため、ビジネスフォーマルな服装を選びましょう。服装が整っているだけで、面接官への印象が良くなります。また、自信を持ったはっきりとした声で話す練習をし、目を見て落ち着いた態度で話せるようにしましょう。

    面接当日の流れ

    1. 面接予約の確認と会場への到着

    面接時間の30分前には会場に到着し、セキュリティチェックを受けます。大使館や領事館の入り口では厳重なセキュリティ検査が行われるため、禁止物(電子機器、大きなバッグ、食品など)を持ち込まないよう事前に確認しておきましょう。遅刻は大きなマイナスポイントとなるため、公共交通機関の遅延や交通渋滞を考慮し、余裕を持って行動することが大切です。

    2. 受付と書類提出

    受付でパスポートや面接予約確認書を提示し、必要な書類を提出します。書類の不足があると面接がスムーズに進まないため、提出前に再確認しておきましょう。受付が完了すると、待機エリアで順番を待つことになります。面接までの待機時間は長くなる場合があるため、面接までに予想される質問を改めて確認するといいでしょう。

    3. 面接の実施

    順番が来たら、窓口に案内され、面接官と対面します。面接は基本的に英語で行われますが、必要に応じて通訳を依頼することも可能です。質問内容は、投資の詳細、ビジネスの収益計画、資金の出所、帰国意思など多岐にわたります。面接官の質問には、明確かつ簡潔に回答し、事業の正当性や投資の目的をしっかりと伝えることが重要です。面接官が疑問を感じるような矛盾のある発言や、不確実な説明は避けましょう。

    4. 面接結果の通知

    面接終了後、結果が即座に通知される場合もあれば、追加書類の提出を求められる場合もあります。結果が承認された場合は、通常数週間以内にビザが発行されます。一方で、追加の審査が必要な場合は、数週間から数ヶ月の追加処理が必要になることもあるため、進捗状況を確認できるようにしておきましょう。万が一却下された場合は、理由を確認し、今後の申請に向けた改善点を整理しておくことが重要です。

    面接でよくある質問と回答のポイント

    cropped view of woman holding black speech bubble with question mark near white brick wall

    ビザ面接では、申請者の投資の正当性や事業の実現可能性、資金の透明性、帰国意思などが重点的に審査されます。特にE2ビザとEB-5ビザでは、質問の内容が異なるため、それぞれのビザに合った準備が必要です。以下に、面接でよく聞かれる質問の例と解答のポイントを紹介します。

    投資に関する質問

    1. なぜアメリカで投資をするのですか?
      • 回答のポイント:アメリカ市場の成長性や投資環境の魅力を説明し、自身の事業と適合する理由を明確に述べる。
    2. 投資額はいくらですか?
      • 回答のポイント:具体的な金額を提示し、それがビジネスの成功に必要な十分な額であることを示す。
    3. 投資資金の出所はどこですか?
      • 回答のポイント:銀行取引履歴や税務書類を用意し、合法的な資金であることを証明する。
    4. なぜこの業種を選んだのですか?
      • 回答のポイント:自身の経験や市場調査の結果を踏まえ、ビジネスの成長可能性を説明する。
    5. 競争相手は誰ですか?
      • 回答のポイント:競合分析を示し、自社の優位性を説明する。
    1. 投資が失敗した場合の対策は何ですか?
      • 回答のポイント:リスク管理の計画や、事業が失敗した場合のバックアッププランを提示する。

    ビジネスと経営に関する質問

    1. 現在のビジネスの進捗状況を教えてください。
      • 回答のポイント:設立日、現在の売上、運営状況などを具体的に述べる。
    2. 従業員は何人いますか?今後の雇用計画は?
      • 回答のポイント:現在の従業員数と、今後の採用計画を明確にする。
    3. ターゲット市場と顧客層は?
      • 回答のポイント:具体的な市場分析と顧客ターゲットを説明する。
    4. 収益の見込みは?いつ黒字になりますか?
      • 回答のポイント:損益分岐点と予測される収益モデルを示す。
    5. アメリカでのマーケティング戦略は?
      • 回答のポイント:広告、営業、提携企業などの戦略を述べる。
    6. 将来的な事業拡大の計画は?
      • 回答のポイント:新規展開やフランチャイズ化の可能性について話す。

    資金管理と財務に関する質問

    1. 初期投資額の内訳を説明してください。
      • 回答のポイント:設備投資、運転資金、人件費などの具体的な数字を示す。
    2. 事業の資金繰り計画はどうなっていますか?
      • 回答のポイント:短期・長期の資金計画と、追加資金の調達方法を説明す
        る。
    3. 銀行口座の詳細を提出できますか?
      • 回答のポイント:投資資金の流れが明確に示せるよう、取引履歴を準備する。
    4. 税金の支払い状況は?
      • 回答のポイント:過去の納税証明書を提示し、適切に納税していることを証明する。

    帰国意思に関する質問(E2ビザの場合)

    1. ビザの期限が切れた場合、どのように対応しますか?
      • 回答のポイント:帰国の計画やビザ更新の予定を明確に述べる。永住する意思がないということを示すことが大切。
    2. 母国に家族や資産はありますか?
      • 回答のポイント:帰国の意思を示すために、日本の企業のことやキャリア、家族のことなど母国との関係を強調する。
    3. 最終的にアメリカに永住するつもりですか?
      • 回答のポイント:E2ビザは永住を前提としないため、一時的な滞在の意向をはっきり伝える。
    4. 母国でのビジネスとの関係は続きますか?
      • 回答のポイント:母国での事業や家族との関係があることを説明し、帰国の意思を強調する。
    5. 将来的に別のビザに切り替える予定はありますか?
      • 回答のポイント:移民意図を持たないことを明確に伝える。

    このような様々な視点からの質問に対して、準備を万全にしておくことで面接の成功率を高めることができます。

    投資ビザの却下理由

    Unrecognizable mature woman making stop gesture

    投資ビザの申請が却下される理由にはいくつかの共通点があります。却下の理由を理解し、適切な準備を行うことで、申請の成功率を高めることができます。以下に、主な却下理由とその対策を詳しく説明します。

    1. 投資額が不十分

    E2ビザやEB-5ビザでは、投資額が事業の規模や運営に対して十分であることが求められます。投資額が少なすぎると、事業の継続性が疑問視され、却下される可能性が高まります。

    対策:

    • ビザの場合、最低でも20万ドル以上の投資が望ましいとされていますが、業種やビジネスの規模によってはより多くの資金を準備する必要があります。
    • EB-5ビザの場合、必要な投資額(80万ドルまたは105万ドル)を明確に準備し、適切な証明書類を提出しましょう。
    • 投資額の正当性を示すために、事業計画書に詳細な資金配分を記載し、投資が適切に行われていることを証明しましょう。

    2. 投資資金の出所が不透明

    投資資金が合法的に取得されたものであることを証明できない場合、たとえ正当な投資資金であっても不正資金の可能性があると判断され、却下の対象となります。

    対策:

    • 銀行取引履歴、税務書類、給与明細、不動産売却証明書など、資金の出所を明確に証明できる書類を準備しましょう。
    • 親族や知人からの借入による投資は、詳細な契約書や贈与証明が必要になる場合があるため、慎重に準備してください。
    • できるだけ長期間(過去3〜5年分)の資金移動の記録を保持し、急な大金の移動がないようにしておくことが望ましいです。

    3. 事業計画が不十分または現実的でない

    ビジネスの持続性や成功の可能性が低いと判断されると、投資ビザの申請が却下される可能性があります。特に、収益モデルが不明瞭な場合、面接官は事業の実現性を疑います。

    対策:

    • 詳細な市場調査を含む事業計画書を作成し、実現可能なビジネスモデルであることを証明しましょう。
    • 競争相手の分析やマーケティング戦略、売上予測を具体的に提示し、事業が成功する可能性を高めましょう。
    • すでにビジネスを運営している場合は、売上実績や顧客リストなどの具体的なデータを提供すると説得力が増します。

    4. 雇用創出計画が不明確(EB-5ビザの場合)

    EB-5ビザでは、投資によって10人以上のアメリカ人フルタイム雇用を創出することが求められます。この計画が不明確な場合、ビザが却下される可能性があります。

    対策:

    • 採用予定の職種、給与水準、雇用開始時期などを明確にし、事業計画に具体的な雇用創出計画を盛り込みましょう。
    • 事業の拡大による長期的な雇用創出のビジョンを示し、継続的に雇用を維持できる計画を提示しましょう。
    • すでに雇用している従業員の給与明細や契約書を提出し、雇用創出の実績があることを証明しましょう。

    5. 面接での説明が不十分または不明確

    面接官の質問に対して不明確な回答をしたり、ビジネスに関する知識が不足していると判断されると、投資家としての適格性が疑問視され、ビザが却下されることがあります。

    対策:

    • 事前に想定される質問のリストを作成し、明確な解答を準備しておきましょう。
    • ビジネスモデル、投資額、資金の出所、今後の計画などについて、具体的なデータや証拠を用意しておくことが重要です。
    • 面接時には、自信を持ってハキハキと話し、相手に伝わるように簡潔かつ論理的に回答しましょう。

    6. 帰国意思が確認できない(E2ビザの場合)

    E2ビザは永住権ではなく、一時的な滞在を目的としたビザです。そのため、申請者がアメリカに永住する意図があると判断されると、却下される可能性があります。

    対策:

    • 母国に所有する不動産、家族、ビジネスなど、帰国の意思を示す証拠を提出しましょう。
    • E2ビザは「一時的な滞在」を目的としていることを理解し、面接時に永住の意図がないことを明確に伝えましょう。
    • 過去の渡航履歴やビザの更新計画についても説明し、長期的に合法的にビザを利用する姿勢を示しましょう。

    7. 必要書類の不足または不備

    必要書類に不備があったり、情報が不十分だった場合、ビザの審査が通らない可能性があります。

    対策:

    • 申請に必要な書類のリストを確認し、不足がないように準備しましょう。
    • 書類に誤りがないか、提出前に専門家(弁護士やコンサルタント)にチェックしてもらうのも有効です。(弊社でも対応可能です。)
    • 書類は整理して提出し、面接時にもすぐに提示できるように準備しましょう。

    準備万端の状態で面接に挑む

    Confident businessman dressed in an elegant suit looking away

    投資ビザの申請を成功させるためには、事前の準備が非常に重要です。特に投資額や資金の出所、事業計画の具体性、雇用創出計画などが審査のポイントになります。面接での説明も重要であり、想定される質問に対して明確な回答を準備しておくことで、却下のリスクを低減できます。

    ビザ申請においては、過去の却下理由を理解し、同じ失敗を繰り返さないようにすることが重要です。適切な準備と戦略を持って臨み、アメリカでの投資とビジネスの成功に向けて第一歩を踏み出しましょう。

    弊社では、多数の投資ビザ案件に対応しており、投資ビザ取得のサポートを始め、アメリカの起業コンサルや人材支援、WEBやSNSなどIT面の支援など多岐に渡りサポートをさせて頂いております。

    投資ビザは投資家や起業家にとって魅力的なビザですが、個人で申請書類準備や手続きを行うことはとても困難なので、投資ビザ手配実績のある信頼できる企業やコンサルタント、移民弁護士からサポートは不可欠です。

    みなさまの夢のアメリカ移住のサポートが出来たらと思いますので、気になることや相談など、小さなことからでもぜひお気軽にお問い合わせください。